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ここハイアットで宴会部門の調理を統括する立場になって、もう11年になるでしょうか。当日のメニューの選定はもちろん、食材、仕上げの色どり、味覚の統一感などを予算の範囲内で最大限に吟味し、お客様に提供していくのが私の役割です。調理場には大きく分けて冷製料理のセクションと温製料理のセクションがあり、それぞれに副料理長が1名。またその下にソースやスープ、魚肉、パン、デザートなどの担当現場が分かれています。スタッフ総勢24名の大所帯を指揮し、監督しているというわけです。
ハイアットの厨房を預かるものとして信念にしているのが「直前調理」の考え方です。一般的には、ホテルの宴会はレストランと異なり、多人数の料理を式の進行に合わせて一斉に提供しなければなりません。そのため、調理そのものに効率が求められ、「つくりおき」が主流になっています。 たとえば魚料理は、朝の仕込みの段階で焼き色をつけておき、冷蔵庫で保存しておきます。そしてお客様に出す前にオーブンに入れて仕上げます。この方法は確かに見た目は美味しそうで時間にも余裕が生まれますが、やはり風味が落ちてしまう。しかし、私は魚や肉本来の焼き上がりの薫りをテーブルに提供するため、直前で火を入れるようにしています。
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調理師専門学校を卒業後、大阪・名古屋・神戸のホテルで修業。その料理に対する不器用なまでのこだわりが、「ハイアットの味」を支え続けている。専門はフレンチ。
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8:00 出社。予約の確認と仕込みのチェック、入荷食材の検品など。
10:00 ブリーフィングにより連絡事項の確認と新予約のメニューをチェック。各セクションに詳細を指示。
11:00 昼食は30分程度で手早く済ませ、ランチタイムに備える。
11:30 ランチのディッシュアップ(盛り付け)と翌日分の仕込みのチェック。
14:00 新予約のフロアプラン作成と食材のオーダー、ディナーの準備。翌日の仕込みもこの時間帯の仕事。
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そんな私が料理人を志したのは小学校2年か3年の頃。両親に連れられて、当時はまだ珍しかったオープンキッチンスタイルのレストランに行った時のことです。コックさんの鍋の縁からわっと火が上がるのを見て、子供心に「かっこいいなあ」と(笑)。たまたま実家が飲食店を経営していたこともあり、以来、時々手伝わせてもらうようになりました。そうして、調理師専門学校でフレンチを勉強した後に卒業。当時は、一流と呼ばれる有名レストランのほとんどがホテルにしかなかった時代だったので、就職先はホテルしか頭にありませんでした。今から20数年前の時代は20世紀、まだ昭和のころの話です(笑)。
ハイアットに勤めてからも、いろんなことがありましたね。あれはまだホテルが開業準備に追われている頃のこと。それまでコンピュータで仕入れを発注したことがなかった私は、コンソメスープを作るための鶏ガラ「300kg」が入力ミスで「30g」しか届かず、大慌てで追加注文したことも(笑)。手のひらほどの鶏ガラが業者さんから届けられた時は顔から血の気が引いたことを、今でもよく憶えています。
ホテルの宴会を厨房から支える責任者として、また一人の料理人として目標を問われれば、私は迷いなく「料理に対して誠実であり続けたい」と答えます。たとえつけ合わせの野菜ひとつにしても、正しい調理手順、正しい火加減を心掛ける。そして、自分たちが本当に納得した料理をお客様に提供していく。そんな当たり前のことに、誇りを持って取り組める料理人でありたいと、私は思っています。
次回 11/18 は「フラワーコーディネーター」をお送り致します。
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