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塩澤 潔 教授
国際観光振興機構(JNTO)に36年余年在職し、外国人旅行者の誘致並びに受入体制事業に精通している。外国勤務もサンパウロ、メキシコ、香港と通算13年間にわたり駐在し、海外の訪日旅行市場にも造詣が深い。本学では国際観光論、観光事情I(概説)、国際観光実習等を担当。
主な著書・論文 「訪日外客と地方の対応」(地方自治研究会527号)、「アジアの観光交流促進の課題」(九州国際観光シンポジウム会議録)、「中国返還後の香港の旅行市場分析と訪日旅行に関する考察」(大阪明浄大学紀要第1号)他
 最近、「YOKOSO!JAPAN」という文字を見たことがありませんか。

 これは2003年1月31日、第156国会の施政方針演説の中で、小泉総理大臣が「観光の振興に政府を挙げて取り組み、2010年に訪日外国人旅行者を倍増の1000万人を目標とする。」と述べたのを受けて、これを実現するためビジット・ジャパン・キャンペーン実施本部が開設され、キャンペーンのキャッチフレーズとして「YOKOSO!JAPAN」が採用されたのです。
 日本に観光客を長年送客している旅行会社の友人やアウトバウンド(海外旅行)が主流を占める前にインバウンドで活躍したベテラン達の間では、このYOKOSOは外国人で分かる人は殆どいない。何故これを採用したのかと批判の声が出ています。やはり、外国人に向けてのキャッチフレーズは一目瞭然でなければ無意味です。

 ところで、日本における国際交流の現状をお話しますと、2004年訪日外国人旅行者数は614万人、日本人海外旅行者数は1683万人で国際観光交流としては著しいアンバランスになっています。これを是正するのもキャンペーンのひとつの目標です。国・地域別に見ると、韓国、台湾、米国、中国、香港の順です。アジアからの外国人旅行者が70%近く占めており、日本にとってアジアは最重要訪日旅行市場と言えます。

 日本に関して、外国人旅行者が不平、不満を漏らす事項は(1)物価高、(2)言語障壁、(3)情報不足、(4)査証(VISA)取得、(5)両替所不足等です。ここでは査証問題に若干触れましょう。

 査証は聴き慣れない言葉の一つでしょうが、分かり易く簡単に述べると、訪問国への入国・滞在許可です。前述のとおり、アジアからの訪日外国人旅行者は大切なお客さんですが、日本入国の際は殆ど査証が必要です。(参考:日本人がアジア諸国へ観光旅行する場合は査証不要) しかし、最近、香港からの観光客は査証免除、韓国、中国、台湾からの訪日修学旅行生に対しても査証免除となり、制度改善の方向には向かっています。

 ビジット・ジャパン・キャンペーンで「日本にいらっしゃい。」と小泉総理大臣までCMで活躍されているのに、一方で査証を取得しないと入国させないよと規制しているのは、何か片手落ちで、「日本にいらっしゃい。」の真心が伝達されていないので残念です。

 観光旅行の短期滞在者に対しては、治安、就労、犯罪などの問題もありますが、全面的に査証免除としたいものです。これが延いては、相互理解と国際親善に寄与し、更に平和と安全保障にも貢献するのであり、1000万人の目標に達する一石二鳥、三鳥になるものと確信します。
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