|
観光が経済に及ぼす影響にはいろんな形のものが考えられますが、例えば、旅行する時の電車賃とか、ホテルの宿泊代とか、お土産品を買うとか、こういうのはすぐに思いつきますよね。これは直接効果と呼ばれています。
そのほかにも、例えば宿泊で利用するホテル、このホテルを建設するには莫大なお金と労働力が必要になります。ちなみに先日聞いた話しですが、東京のお台場のあるホテルは土地の代金と建設の費用を全部足すと開業までに1,000億円かかっているそうです。こういう大金が動くのも経済効果ですが、これは観光客が直接払うお金ではないので、第一次波及効果といいます。
そして、ホテル建設に関わった労働者とか、ホテルの従業員とか、そういう人々が賃金をもらって、そのお金をさらにいろんなところで使うということも起こります。これが第二次波及効果とよばれるもので、この第一次と第二次の波及効果を合わせて間接効果と呼んでいます。こういう風に、一つの経済行為がいろんな形でどんどん広がっていくものなんですね。
ちなみに、観光の経済効果について、『観光白書』の最新の数値(※)を見ると、旅行総消費額が21兆3千億円と計算されています。そして、その生産波及効果は49兆4千億円にのぼります。雇用効果は全体でどのくらいだと思いますか?なんと398万人ですよ。すごいですよね。観光事業がうまくいけば、その波及効果が大きいので、それを目当てに観光振興をしようとしている自治体が少なくありません。
でも、地域で経済波及効果を考えるならば、その波及先がどこに向くのかをしっかりと見極めて観光事業を立ち上げなければなりません。実際、観光事業者を誘致したけれど、土木作業員も、従業員もみんな地元以外から調達して、日々の営業の物資も地域外から持ち込んでいて、実際の地域経済にはほとんど貢献していないというような話しも珍しくないんですよ。
|