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[登場人物]
川原明日美(かわはら・あすみ)
大阪明浄大学観光学部1回生
西山 浄(にしやま・きよし)
大阪明浄大学観光学部1回生
丹治朋子(たんじ・ともこ)
元大阪明浄大学観光学部専任講師


先生は海外旅行によく行かはるんですか?

私はそれほど多くないですけど、今度の春休み中にはニューヨークに行こうかと思っているんですよ。今、妹がそのあたりに住んでいるので。

えっ?先生の妹さんて海外在住なんですか。すご〜い。

いやいや、すごくなくて、今さらながらの語学留学ですよ。しかも英語が全く出来ない状態で行ったから今頃ストレスで悶絶してるんじゃないかな。


ニューヨークっていえば、テロは大丈夫なんでしょうか。

いろんな説が流れていますよね。まぁ、交通事故に遭う確立に比べたら低いと思いますよ。

それはそうでしょうけど・・・。テロっていえば、アメリカの同時多発テロの直後は観光関係の景気が悪くなって大変だったみたいですね。

そうですね。海外旅行を取りやめた人が多かったし、経済波及効果は様々な形で出たんじゃないかしら。国内の高級な温泉旅館では、かえってお客さんが殺到していたみたいですよ。


あ、海外旅行をやめた分のお金を高級な旅館に使うんですね。

そうです。明日美さんに観光の経済波及効果の話しをしたことありましたっけ?


いえ、まだです。聞かせてください。

 観光が経済に及ぼす影響にはいろんな形のものが考えられますが、例えば、旅行する時の電車賃とか、ホテルの宿泊代とか、お土産品を買うとか、こういうのはすぐに思いつきますよね。これは直接効果と呼ばれています。
 そのほかにも、例えば宿泊で利用するホテル、このホテルを建設するには莫大なお金と労働力が必要になります。ちなみに先日聞いた話しですが、東京のお台場のあるホテルは土地の代金と建設の費用を全部足すと開業までに1,000億円かかっているそうです。こういう大金が動くのも経済効果ですが、これは観光客が直接払うお金ではないので、第一次波及効果といいます。
 そして、ホテル建設に関わった労働者とか、ホテルの従業員とか、そういう人々が賃金をもらって、そのお金をさらにいろんなところで使うということも起こります。これが第二次波及効果とよばれるもので、この第一次と第二次の波及効果を合わせて間接効果と呼んでいます。こういう風に、一つの経済行為がいろんな形でどんどん広がっていくものなんですね。

 ちなみに、観光の経済効果について、『観光白書』の最新の数値(※)を見ると、旅行総消費額が21兆3千億円と計算されています。そして、その生産波及効果は49兆4千億円にのぼります。雇用効果は全体でどのくらいだと思いますか?なんと398万人ですよ。すごいですよね。観光事業がうまくいけば、その波及効果が大きいので、それを目当てに観光振興をしようとしている自治体が少なくありません。
 でも、地域で経済波及効果を考えるならば、その波及先がどこに向くのかをしっかりと見極めて観光事業を立ち上げなければなりません。実際、観光事業者を誘致したけれど、土木作業員も、従業員もみんな地元以外から調達して、日々の営業の物資も地域外から持ち込んでいて、実際の地域経済にはほとんど貢献していないというような話しも珍しくないんですよ。


なんだか難しそうですね。でも、経済というと計算式とかグラフとか出てくるのかと思ってましたが、今日のお話は私にも分かりました。

え?グラフとか書いて欲しかった?じゃぁ次の機会に・・・


い、いえ、結構です!

※『平成16年版観光白書』p.36より
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