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第7回 2003.12.20
『国際交流』&『』・・・これらの気持ちがもっと必要なのではありませんか?
 日本を取り巻く国際間の人的交流は、どうやら2003年は大きな落ち込みとなり、大変動の年になりそうです。訪日外国人は、本年1月〜6月の半年間、前年比マイナス10.5%1)を記録し(後半はバンカイしつつありますが)、一方、日本人海外旅行者は1300万人2)となり、前年比20%ほどのダウンと予測されています。これらの数値はもちろん、イラク戦争、そしてSARS(新型肺炎)が大きな原因であることは、周知の事実です。
 現在、日本を含め世界各国が懸命に、復活キャンペーンを実施しています。なかでも、SARSで手ひどい打撃を受けた中国は、この冬を乗り切ればなんとか復旧のメドができそうだと頑張っています。この調子で行けば、日本のアウトバウンドは外国の誘致努力も手伝い、1、2年でもとに戻ることでしょう。他方、インバウンドはVJC(ビジット・ジャパン・キャンペーン)がスタート年で出鼻をくじかれた状態でしたが、官民こぞって、今までにない体制で動きつつあり、外国人が多く訪日するようなムードになっています。
 さしずめ、「復活のアウトバウンド」と「飛躍のインバウンド」と呼ぶことができそうです。これらの潮流を前にして、今回は、わが国および日本人の国際交流に対する心構えについて、さらなる飛躍を期して、少し意見を述べたいと思います。
 “観光振興には、『国際交流』&『(おもてなしの心)』の気持ちがもっと必要なのではないでしょうか?”と。

 まず、アウトバウンドの海外旅行客は、パッケージ・ツアーを中心として、前年まで毎年1600万人にも上っています。海外でのスケジュールがびっしり詰まったツアーから、スケルトン(骨組)型と称される自由行動ばかりのツアーまで、デラックスから超格安ツアーまで種々あります。海外を旅行することは、一見、能動的で積極的に見られますが、 参加者による海外の行動いかんでは、「外国や外国人を見るだけ」、すなわち“水族館巡り”のようなツアーになってしまうことがあります。現に外国人との会話がほとんどない状況も見受けられます。ここで提案ですが、もう少し外国人と接触を試みたらどうでしょうか。たしかに言葉の問題は大きいのですが、相手の国の言葉、例えば、挨拶ひとつが訪問国の人の心を和ませ、微笑(ほほえみ)が返ってくることがあります。思い切って、もっと気楽に声を掛けたらどうでしょうか。

 また、海外旅行中には、誤解などからトラブルを招く場合も少なくありません。そのような場面でも、不満なり希望なりをその場ではっきり申し出ることで、相手もすぐ理解でき、旅行中に対応&解決できるケースが多くあります。それにもかかわらず、日本人観光客は、帰国してから取扱の旅行会社などを通じて苦情をいう場合が少なくありません。これは外国人が不思議がる日本人の一般的性格の1つでもありますが、どのような場合でも意思表示をはっきりさせることが、国際交流を促進させることに繋がると考えています。

 一方、「外国人を迎える」国際交流の動きはどうでしょうか。最近、ある調査結果が発表されました。「韓国などが日本に要請している旅行者のビザ(査証)取得免除や手続きの簡素化に否定的な人が53%に達した。最近の外国人犯罪の急増による治安悪化への根強い懸念が背景とみられ、外国人観光客の増加を歓迎しない人も3割に上った3)」。この調査は、先に小泉首相が「訪日外国人倍増計画―テン・ミリオン計画―」を発表したため、外国人観光客に関する質問が新たに加わったものですが、外国人観光客の迎え入れに、かなり否定的なトーンになっています。
 外国人犯罪の増加で治安面の不安が強まり、外国人観光客への抵抗感が増すことは確かですが、これはやや短絡的でないでしょうか。特に、「旅行者のビザ取得免除」に問題があるとの報道ですが、もちろん海外諸国を一律に対処すべきものでなく、免除手法も例えば、「ビザなしトランジット(通過)」、「地域・期間・年齢etc.限定ビザ免除」など柔軟な手法がいくらでもあります。世界を見渡せば、“観光先進国”、または“観光立国”と称される国々では、いろいろな工夫がなされています。現在、官民合体のVJCが展開されていますが、海外諸国のプロモーション活動とともに、日本国民に対する説明―訪日外国人や国際観光のメリット&デメリット―の機会をもっと設ける必要がありそうです。

 ところで、『国際交流』&『』に関連して、若者の国際理解・国際交流に大なる効果を生んでいる「高校生海外修学旅行」があります。日本の修学旅行生に対して、夏休みや冬休みといった休暇期間中といえども、相手国の政府・観光局や学校の協力により学術交流やイベントが種々催され、成功裡に終了するケースが多くあります。
 これに比して、日本での受入はどうでしょうか。最近、経済的富裕さも手伝って、韓国や中国などのアジア近隣諸国からの修学旅行も動き出しています。しかしながら日本側の対応は、通常時期に加え、休暇期間においても、相手から要望のあった学校を選定することは難しく、受入体勢はかなり未熟だと言った方がいいでしょう。
 法制面での整備、すなわち「高校生などの若者に対するビザに関しては、もっと規制緩和をすべきである」とともに、意識面での受入体制をより強固にする必要性を痛感しています。(了)


1)2003年1月〜6月JNTO国際観光振興機構による数値。
2)財)日本交通公社による予測数値(JTB REPORT 2003. P.68)。
3)「外国人観光客へのビザ緩和、53%が否定的 世論調査」
 掲載:アサヒ・コム/2003年11月1日(内閣府が発表した「自由時間と観光に関する世論調査」結果に対して)。
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