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第9回 2004.4.10
一流のホテリエになるためには(2) |
前回は、ホテリエとして活躍するために必要となる「サービス技術」と「サービス技能」について触れた。今回は、一流のホテリエになるために修得しなければならない“お客様を誘導する力”について説明する。
製造業が提供する製品、すなわち「モノ」は、従業員によって工場で生産され、流通業によって店舗まで運ばれ、そこでお客様によって購入されて、家庭や職場で消費される。一方、ホテルが提供する製品、すなわち「サービス」は、サービス提供者がお客様に対して接客するその時間、その場所において、生産と消費が同時に行われる。その際、お客様は、サービスの生産・消費プロセスにおいて、サービスの生産に参加することになる(図1参照)。
| 図1 ホテルにおけるサービスの生産・消費プロセスの構造 |
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ウェイターの接客場面を例に挙げよう。ウェイターは、レストランに来店したお客様との対話を通じて、来店の趣旨や料理の好みなどをさりげなく探り、お客様の知識や判断力に合った情報を提供し、お客様との相互作用によって、具体的な料理、サービスの提供へと結び付けていく。すなわち、お客様は、サービスの品質の鍵を握る“もう一人のサービス生産者”という役割を担うのである。
それゆえ、ホテルが品質の高いサービスを生産するためには、サービス提供者は、お客様との間に極めて短時間のうちに良好な関係を構築すると共に、サービスの生産に対して積極的に協力してもらえるようにお客様を“誘導していく”という難しい課題に取り組まなければならない。
加えて、お客様の立ち振舞いやお客様が醸し出す雰囲気などがホテルの環境を構成する重要な要素、すなわち、サービスを受ける立場にあるお客様自身がサービスの一部ともなるのであり、サービス提供者は、ホテル全体のサービスの品質をつかさどる対象として、お客様を“誘導していく”という課題にも取り組まなければならないのである。
さらに、サービスの品質を考える際、お客様がサービスを主観的に捉え、評価した品質が顧客満足の形成に大きな影響を与える傾向があるため、サービス提供者は、サービスの生産・消費プロセスにおいて、お客様に提供されたサービスの品質が非常に高かったと認識してもらえるようにお客様の心を“誘導していく”ことが求められるのである。
“お客様を誘導する力”は一朝一夕に身に付くものではないであろう。人として、サービス提供者として様々な経験を積んでいく中で、ホテリエは長い時間をかけて、それに関わる性質や能力を培っていくのである。
次回5/10は「ホテル運営のプロフェッショナルを目指して」をお送りいたします。 |
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