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第5回 2003.12.10
調理部門のホテリエたち
 前回は、「宴会予約」、「宴会サービス」、「ウエディングプランナー」などの「宴会部門」を担うホテリエを紹介した。
 今回は、キッチンで料理やデザートなどを作る「調理部門」に視点を当てて、フランス料理の料理人の職種について説明する。

シェフ(仏 chef)
 シェフは、調理部門、あるいはキッチンにおける責任者に対して使用される呼称である。キッチン・スタッフに調理の指示を与え、味や盛り付けを確認しながら、料理を完成させるという役割を担う。
 ホテルの調理部門の多くは分業制を採っており、同じテーブルに座る複数のお客様に対して、温かいものは温かく、冷たいものは冷たく、最良のタイミングで料理を提供するために、シェフは“オーケストラの指揮者”のように、キッチン・スタッフを統率していくという難しい作業に取り組まなければならない。
 シェフには、単に“料理の腕”だけではなく、キッチン・スタッフに対する指導力、衛生管理やコスト管理などのマネジメント力といった、組織を率いるために必要となる様々な能力が求められるのである。

パティシエ(仏 pâtissier)
 パティシエは、菓子専門の料理人である。レストラン、宴会、あるいは、ショップで提供するケーキやクッキーなどの製造に責任を持つ。
 コース料理の最後を締めくくる「デザート」は、料理全体の印象を左右するほどの重要な品目である。一方、ケーキなどは、コース料理を離れて単独で食されることが多く、ホテルにおける様々な場面において、パティシエが作った菓子がお客様を喜ばせる。
 ケーキなどを食することによって、日常のストレスや疲れを解消している人は少なくないと思われる。“人の心を癒す”、パティシエが作る菓子にはそんな効能もあるのかもしれない。

ブランジェ(仏 boulanger)
 ブランジェは、パン専門の料理人である。レストラン、宴会、あるいは、ショップで提供するパンの製造に責任を持つ。日本のホテルにおいては、ベイカー(baker)と呼ばれていることも少なくない。
 パンは、ライスと同じくらいに、日本において日常的に食されている身近な食べ物であり、また、その調理法も比較的シンプルであることから、一味違うパンを製造することは難しいと考えられる。ブランジェは、そのような困難な状況を打破して、お客様から“さすがホテルのパンは一味違う”という一言を引き出すだけの品質の高いパンを作ることが求められるのである。
 腕の良いブランジェがいるホテルのショップには、今日も焼きたてのパンを買うために多くのお客様が訪れるに違いない。

次回1/10は「マーケティング部門のホテリエたち」をお送りいたします。
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